いっちょ、やってやろうやないか!
主人公「国岡鐵造」の決め台詞ですが、これはそんな生半可なものではなく、覚悟の宣戦布告です。
失敗すれば人生が終わってしまう、そんなターニングポイントで使われてました。
映画全体は戦後日本の復興が描かれています。
その姿を「狂気じみている。まるでブラック企業の洗脳だ」と捉えた人もいるようですが、
仮にです。GHQの言われた通り、そして大手石油メジャーの言うとおりに鐵造がしていたらどうなっていましたか?
「しゃあない、日本は負けたんだから、米国に従うしか無い」と思っていたらどうなっていましたか?
それこそ狂気の世界が日本に訪れていたはずです。
全てのエネルギー利権と使用権をGHQに握られ続け、GHQが日本から引き上げてもなおアメリカにずっと依存しなければならず、
大統領が右といえば右を向く。
そんな日本に、いいえ、もはや日本ではなくジャパン州米国になっていたかもしれません。
それほどまでに、エネルギー資源の力は恐ろしいのです。
現に米国が日本への石油輸入とストップしたから、大東亜戦争で米国と戦うことになったのです。
今現在日本がエネルギーの点で依存しておらず、対等に渡り合っているのは、鐵造の決断(出光佐三 初代出光興産社長)があればこそです。
「日本はまた再び立ち上がる!」という鐵造の台詞は観覧された皆さんには空虚に聞こえたかもしれません。
実は根拠があったのです。それは、昭和天皇がご存命だということを知っていたからにほかなりません。
つまり、日本は完全に死んでいないということを意味しています。
もしもここで天皇が絶えてしまっていたら、本当に日本は終わってました。
天皇と日本の関係について、ここでは割愛しますが、ご興味があれば、検索してみてください。天皇は礎であることがよくわかります。
男が惚れる男とは、まさに彼のことでしょう。
人材が財産である、これは言葉にするのは簡単ですが、体現するのは非常に難しいのです。ましてや、使い捨てるようなブラック企業には当てはまらない言葉です。
最後に。
方言が完璧でした。私はあの近くの出身なので、違和感があるのは嫌だなと思ってたのですが、
誰一人としてハズれず、完璧に話してました。
あの地方の方言は特徴がつかみにくく、ドラマになっても変なイントネーションや使い方をされてしまいます。
それを払拭するのにどれだけの稽古をつんだのかと思うと、お礼とともに頭が下がる思いです。
(原作小説を横において)